

年の瀬に

波乗り日記

そんなわけで、この連休は腰越に行ってきた。普段から日焼けがちな友人(通称メガネブタ)は、最近サイパンに行って来たらしく、真っ黒なメガネアグーへと進化していた。土曜の昼頃に到着し、波チェックをした後、「いい感じだねぇ」と言いつつ(腰越にしては珍しくいい波が来ていた)、とりあえずシラス丼とシラスのかき揚げとカワハギの肝和えを食べに行く。

その後、翌日万が一海に入るときことを考えて中古の5ミリのウエットを探しに行く。5着ほど試着して疲れ果てながら、ちょうどいいサイズのウェットを見つけて購入。それから宴会のための食材を買い出しに行き、翌日サーフィンをしようと言ってるわりには尋常じゃない量の酒を買い込む。夜になり、七里ヶ浜に住む友人夫妻も合流し大宴会となる。



アグーの料理(通称ブタ飯)は、基本イタリアンでめちゃくちゃ美味いので、出てきた瞬間にみんなが「うめぇ!」とがっつき速攻でなくなる。なくなると「次っ!」と催促し、また出てきた料理にがっつきながら酒を飲むということをひたすら繰り返す。グラタンに各種バスタを欲望のままに食べまくり、結局ベロンベロンになって泥のように眠る。

翌朝起きて波チェックに行くと、まったく波がない。仕方ないのでバーベキューでもするかという話になるが、昼くらいから少し波が出てきたため、せっかくなので海に入ることに。5ミリのウエットとブーツのおかげで思ったほど寒くない。昔は冬に海に入っているサーファーを見る度に頭おかしいんじゃないかと思っていたが、まさか自分もその仲間になるとは思ってもいなかった。

といっても1時間ほどで切り上げる。冷たい海に入った後の温水シャワーが気持ち良すぎて倒れそうになる。本当は日曜に帰る予定だったが、疲れたのでもう一泊させてもらうことにする。そうと決まればまた宴会だということで、再び七里の友人も加わって午後から大宴会となる。アグーによれば、この2日間で各種パスタを12皿とグラタン、手作りパン、手作りピザ、ブイヤベース、そうめんチャンプルなどを6名で平らげたらしい。とにかく全部美味かった。アグーに感謝。そんな感じで充実した連休だった。でもサーフィンはあまり上達していない。

それはさておき、メリークリスマス。

犬宴会

そんなわけで、犬宴会の話でも。少し前に『東えりかさん』と忘年会でもしましょうよという話になり、みんなのスケジュールを調整したら偶然にも『文庫』

落ち着いた分、食べ物への意識が強まったもよう。しかし、犬というのはどうしてすぐに「犬に甘い人」を探そうとするのか。みんなの顔を見ながら探りを入れてくる。で、「あ、このおっさんは無理っぽい」と早々に見切られる。この日マドがターゲットにしたのはやっぱり東さん。がっつりロックオンして、可愛い顔をつくる。

そこへなぜか大吉も加わる。普段は人の食べているものを欲しがったりしないが(相手にされないので)、こちらも「犬に甘い人」を敏感に察知したもよう。一見、マドと大吉の距離が近づいているように見えるが、ただ単に「食べ物をゲットしたい」という共通の目的があるから結託しているだけで、特に仲良しになったわけではない。ま、マドも大吉に害がないとわかったのだろう。

味付けしていない食材などを、ちょこちょこあげる東さん。もう犬にモテモテ。それに対し、爪切り嫌いで爪が伸びていた(いつも動物病院で切っている)マドをがっちり抑え込んで爪を切ったおっさんは激しく嫌われる。それはさておき、宴会で何を話したのかほとんど覚えていなことに驚く。ビールとワインと日本酒と焼酎を飲んだことと、きりたんぽ鍋のシメの雑炊がやたら旨かったことだけは覚えているが。恐るべし忘年会。後で聞いたら片野さんもマドも翌日は昼まで寝ていたらしい。でも楽しかったので良しとする。

それでは良い週末を。
<お知らせ>
本日発売の『青春と読書』で文庫本に関するエッセイが載っています。
200名様プレゼントもあるみたいですよ。

俺の波乗り魂

昨日、抜糸してきた。術後数日こそ痛み止めを飲んでいたが、それ以降は薬に頼ることもなく、抗生物質もほとんど飲まなかったが、驚くべき回復力で傷は塞がったようだった。さすが普段からサーフィンで鍛えているだけあるなと思った。もう通院する必要はないらしい。やった。俺は自由だ。これで心おきなく波乗りできる。

そんなわけで、今週末は湘南へ行こうかと思っている。腰越に家を買った途端に会社を辞めてしまった奇特な友人(通称メガネブタ)のところへ押しかける予定だった。彼も波乗りをするので、波があったらやろうと約束はしているが、たとえ当日いい波だったとしても、抜糸した直後だからやっぱり止めとくわと海には入らないつもりだった。こんなに寒いのに海なんか入る気になれない。絶対嫌だった。

なら何のために行くのかというと、ただ単に飯を作ってもらって(メガネブタの料理はめちゃ美味い)飲んでダラダラしたいだけだった。近所に住んでいる知り合いも勝手に彼の家に呼んでしまった。宴会する気満々だった。そんで泊めてもらって朝飯を作ってもらって二度寝したいくらいで、波乗りをする気はさらさらないのだった。

それはさておき、先週末はマドも参加の忘年会だったが、その話はまた次回。
<お知らせ>
『犬のはなし』更新されてます。
奈良さんに犬の栄養相談をしてもらいたい人も募集中。

大吉、心のつぶやき4

山芋、まゆげ犬、紀州梅吉、梅きっつぁん……。(by大吉)
<お知らせ>
『またね、富士丸。』

とばっちり

何やら真剣に破壊活動に取り組む梅吉。

何がそんなに梅きっつぁん。

気に入らないのよ梅きっつぁん。

ピカチュウ、逝く。
<お知らせ>
『またね、富士丸。』


文庫完成

懸念していた術後の痛みだが、思ったほどではない。一応痛み止めは飲んでいるが、ボルトを入れたときとは比べものにならないくらい楽だ。手術前に医者から「そんなに痛くないはずですよ」と言われたときは絶対嘘だねと思っていたが、疑ってすいません。こんなことならもっと早く手術しておけば良かった。とにかく、これでまた皮ジャンを着てロケンローできる。

それはさておき、お知らせしていた『またね、富士丸。』

さらに解説は『東えりかさん』に書いていただきました。緊張しながら一足先に読ませてもらったんですが、そこには知らなかったことが書かれてあり「そうかー、そうだったのかぁー」と思いながら読んでいたら、自然と涙がこぼれてしまいました。なんで自分の本で泣いてんねんと思いつつ、いい解説ありがとうございました東さん。写真のセレクトは編集者とデザイナーにおまかせしていたんですが、最終的に表紙は単行本と同じ写真になったようです。

今週末くらいには書店に並ぶのではないかと思います。
<お知らせ>
『犬のはなし』更新されました。
犬と食事を考える、その後の大吉の話です。
実はあの後正式に食事指導を受けていたんです。

苦行

そんなわけで、鎖骨に埋め込まれたボルトを除去する手術を受けてきた。水曜の朝一番に入院し、午後から手術で翌日退院という強行スケジュールだった。手続きを終えて病室に行くなり点滴の針を刺すのに2度も失敗され、ただでさえ注射が苦手なのに本気で勘弁してくれと思ったが、そこは大人なので針から顔を背けて必死に3回目の注射に耐えたのだった。

手術は全身麻酔で、気がついたときには終わっていたし、局部麻酔が効いていたので痛みも前回と比べたらずいぶん楽だったのだが、今回の試練は別にあった。麻酔から醒めたもののぼうっとしつつ、このまま朝まで眠りたいと思ってい矢先のこと。大部屋のどこかから「グオォォォォ!」という地の底からわき上がるようなものすごいイビキが聞こえてきたのだった。

それはイビキというより、ほとんど雄叫びに近かった。日常会話より明らかにボリュームが大きい。が、イビキには波があるのでそのうち治まるだろうと目をつむって耐えていたが一向に治まる気配がない。「グォォォォ!」以外にも「ガァァァァ!」や「グハッ!グハッ!」、「ンンンンンンン、ガッ!」などバリエーションも豊富で、気になって眠れない。それが深夜まで延々と続く。お前にはレム睡眠もノンレム睡眠もないんかいと思いつつ、結局寝たのか寝ていないのかわからないまま朝を迎えたのだった。ついていない入院だった。

ま、ボルト人間から卒業できたからいいか(これが取ったボルト)。
たくさんの励ましのメッセージありがとうございました。


憧れの文壇バーにて

先週金曜日の夜は、銀座で飲んだ。東京會舘で『馳星周さん』が選考委員を務める文学賞の贈賞式があり、久々に東京へお越しになるらしく『ソウルメイト』

当初はパーティーを抜け出して、小一時間ほどお鮨を食べてまた会場に戻られる予定だと聞いていたので、ひとまず東京會舘へ向かう。そこで馳さんと片野さんと編集者の方たちと合流し、鮨屋へ移動。着いたのは変に気取っていないなんともいい感じのお店。そして出てくる料理が全部めちゃ旨い。これはもう日本酒を飲むしかない、短い時間だしいいか、とガンガンに飲む。いつしかワンコ話で大盛り上がり。気がつけば9時すぎでパーティーはすでに終了している時刻。

すると馳さんは「しょうがない。じゃ、二次会行こう!」と銀座の街へ。そして連れて行ってもらったのが、いわゆる「文壇バー」。「噂には聞いたことがあったが、本当にあるんだ!」と内心狂喜乱舞する。といっても、内装などは普通の上品なクラブで、違うのは壁に本棚があって小説がズラーッと並んでいるのと、本のポスターがあちこちに貼ってあること。馳さんによれば、今はもうほとんどこういう店はなくなったらしい。あいにくこの日は他の作家さんの姿をお見かけすることはなかったが、貴重な経験をさせてもらった。

そのお店で再びワンコ話で盛り上がる。というか、ほぼ犬の話しかしていない。馳さんも片野さんも、みんなそれぞれ愛犬を失った経験があるので、そういう話になっても変に湿っぽくはなったりしない。お互いの話を「そうそう!」と言いながら笑ったり、ちょっと涙ぐんだり、また笑ったり、楽しかったなぁ。一軒目からかなり飛ばしていたので、最終的には結構べろんべろんになってしまったけれど、馳さん、片野さん、ありがとうございました。

君の話もたくさんしといたから。
<お知らせ>
『犬のはなし』更新しました。
犬と悪夢について。